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安楽宙斗、逆転優勝で開幕 安井HDが語るボルダー初戦の戦い

インタビュー公開日: 2026-05-20
安楽宙斗、逆転優勝で開幕 安井HDが語るボルダー初戦の戦い

Photo : © Kazushige Nakajima/World Climbing

2026年5月1日から3日まで開催されたワールドクライミングシリーズ・ボルダー第1戦柯橋大会。男子は安楽宙斗が最終課題で逆転優勝を果たし、シーズンの幕開けを強く印象づけた。大会を通して見えた課題の傾向や、日本代表の現在地について、安井博志ハイパフォーマンスディレクターに聞いた。

(取材・文/CLIMBERS編集部)

――まず男子の戦いについて、安楽選手の逆転優勝の印象を教えてください。

「初戦から非常に熱い戦いが見られたのは良かったですね。課題は全体的に難しく、完成度の高い内容でしたが、その中で安楽が勝ち切れたのは大きな自信になったと思います。また、あの舞台での逆転勝利は日本選手に勇気を与えてくれたと思いますし、その点もうれしく感じています。(決勝4位だった)楢崎智亜も危ない場面はありながら、随所に良さが見られて、次につながる内容でした」

――課題の特徴をどのように感じましたか?

「パワーだけでなく、テクニックやバランス、ホールドを取るタイミングなどがよく練られた課題だと感じました。少しでも雑になると対応できない、そんなセットだったと思います。動きが得意な選手でもパワーが必要になったり、爆発力があっても連続した課題で持久力が問われたりと、総合力が試されていました」

――安楽選手は去年の世界選手権ソウル大会決勝でも最終課題を完登しないと優勝できないという場面でしっかり決め切りました。最終課題で逆転できる彼のメンタリティについて、何か特別なものを感じますか?

「すごく成長したと思います。今回も完登しかない状況をしっかり認識していたと思いますし、その中で課題に的確に対応していました。時間の使い方も良くて、自分の能力や体の状態をよく把握した上でトライできている。そういった意味で心が安定してトライできていると感じます」

――一方、女子は残念ながら、関川愛音選手のみが決勝に進んで7位という結果でした。

「女子は距離とパワーが求められる内容でした。しっかり距離を出せてパワーがある選手でないと次のホールドを取らせてもらえない、そういった課題設定だったと思います。結果として長身の選手が多く残ったのも、その影響があったと感じています。関川については、しっかりフィジカル面が強化されてきていて、その成果が出て決勝進出につながったと思います。全体としては課題との相性やパワー面での差も見られましたが、その中でしっかり戦えた内容だったと評価しています」

――関川選手の成長についてどのように見ていますか?

「ここ一年でかなり伸びていますね。以前は苦手だった要素も克服してきていて、どの壁でも対応できる力がついてきました」」

――4月のアジア選手権と今回のワールドクライミングシリーズ。同じ国際大会ですが緊張感に違いはありましたか?

「ワールドクライミングシリーズは予選から気が抜けないですね。全ラウンドで高い集中力が求められます。その分、選手にかかるストレスも大きい大会です」

――連戦が続く今後のシーズンの戦い方について教えてください。

「「ボルダーに関してはこの先は調整が中心になります。(5月下旬から6月下旬まで)4戦連続で大会が続くので、とにかくケガをしないことが最優先になります」

――最後に、今シーズンのチームについてひと言お願いします。

「カムバックしてきた選手も含めて、男女ともに戦えるチームだと思っています。どんな課題でも誰かが上位に入る選手層はありますし、非常にポテンシャルの高いチームです。今年も本当に楽しみですね」