JMSCAウェブマガジン

BJC2025に挑むジャパンツアー通過選手たち

国内大会公開日: 2025-01-14
BJC2025に挑むジャパンツアー通過選手たち

Photo : JMSCA

2月1、2日にJMSCA主催で行うボルダージャパンカップ(以下BJC)。今回は第20回を迎える節目の大会となります。毎年、BJCを沸かせているのがジャパンツアー(SPORT CLIMBING JAPAN TOUR)通過選手たち。2019年のツアー開始以来、通過選手が毎年のようにBJCのファイナリストに名を連ねています。

(取材・文/CLIMBERS編集部)

2024年のジャパンツアーは、ボルダーが全5戦、リードが全3戦、スピードが全2戦行われました。各戦で獲得したポイントの合計(ボルダーは3戦、リードは2戦が上限)で種目別ランキングが決まり、各種目上位の男女40人ずつに翌年の各ジャパンカップ出場権が与えられます。各ジャパンカップには、前年の国際大会派遣選手である優先出場選手と、ジャパンツアー通過選手が出場します(スピードは優先出場選手未設定)。

先に述べた通り、ジャパンツアー通過選手が翌年のジャパンカップで活躍することは珍しくありません。BJCにおいては、初めてツアー通過選手が出場した2020年大会で男子の佐野大輝選手、女子の松藤藍夢選手が決勝に進出。そこから2024年の男子を除き、ジャパンツアー通過選手が毎年男女で決勝を戦ってきました。

決勝を戦ったジャパンツアー通過選手は以下の通りです。

【BJC2020】
男子:6位 佐野大輝(JT5位)
女子:6位 松藤藍夢(JT1位)

【BJC2021】
男子:4位 天笠颯太(JT3位)
女子:6位 石井未来(JT3位)

【BJC2022】
男子:2位 土肥圭太(JT2位)、4位 山口賢人(JT11位)
女子:5位 青柳未愛(JT1位)、6位 菊地咲希(JT5位)

【BJC2023】
男子:2位 佐野大輝(JT3位)、4位 通谷律(JT1位)
女子:3位 関川愛音(JT2位)

【BJC2024】
男子:該当なし
女子:優勝 中村真緒(JT1位)、6位 石井未来(JT2位)

※JT=前年のジャパンツアー

BJCの2022年大会で土肥圭太選手がジャパンツアー通過選手として初の表彰台入り。山口賢人選手はジャパンツアー11位から決勝まで進みました。2023年大会では佐野選手、関川愛音選手と男女ともジャパンツアー通過選手がメダルを獲得。そして記憶に新しい2024年大会ではジャパンツアー2023で女子1位だった中村真緒選手が頂点に立っています。

ツアー開始以来、BJCファイナリストとなった計12人(重複を含む)のうち、11位だった山口選手を除き、すべての選手がジャパンツアーで5位以上に入っていました。

※男子2位、4位、女子5位の母数には同じ順位(タイ)の人数を含む

5位以上の決勝進出率は12人/51人で約24%、3位以上に限ると10人/30人で約33%です。国際大会派遣選手の選考大会でもあるジャパンカップでツアー通過選手が下剋上する様は、まさに日本の選手層の厚さを表していると言えます。

最後に、ジャパンツアー2024のボルダーランキングトップ10と、男女各3位までに入った選手のBJCに向けたコメントを紹介します。この中から、シーズン初戦の大舞台でも上位に入り、日本代表に選ばれる選手は現れるのでしょうか?

SPORT CLIMBING JAPAN TOUR 2024

[ボルダーランキング]
●男子
1位:川又玲瑛

ツアーを通して3回1位を取ることができ、安定した実力がついていることを実感できました。特に練習してきたスラブやコーディネーションが少しづつ苦手から得意になっていると感じたので、BJCまでにより磨き上げたいです。直近2年のBJCでは準決勝で難易度の高い課題に苦戦したので、オールラウンダーを目指しつつ尖った強さを身につけて臨み、優勝したいです。

2位:佐野大輝

ジャパンツアーではオブザベ時点でのイメージと実際にトライした時のフィーリングのズレが以前より少なくなっていて、本戦への自信に繋がりました。しかし、ハードなムーブへの対応力がまだ足りないとも感じました。一昨年に準優勝した時よりも実力はかなり上がっているので、いつも通り楽しんでトライできれば良い結果が出ると思っています。それでもBJCでの優勝は甘くはないと思うので、まずは決勝に行けるように頑張りたいです。

3位:杉本怜

ジャパンツアーは毎回1位を狙って気合を入れて臨んでいましたが、一回一回の成績は中途半端な成績で終わってしまい残念でした。今年のBJCが最後の出場となるので、悔いの残らないように、そしてみなさんに過去最高の姿を見せたいと思います!

4位:土肥圭太
5位:渡部桂太
6位:山口賢人
7位:百合草碧皇
8位:杉本侑翼
8位:藤井快
10位:亀山凌平
●女子
1位:倉菜々子

ツアー1戦1戦を通して課題を見つけたり修正できたりと自分と向き合うことができました。BJCではツアーで収穫できたこと、1年間取り組んできたことを発揮して、日本代表となってワールドカップの舞台に立ちたいです。

2位:葛生真白

目標であったランキング1位になることができず悔しいのですが、ジャパンツアーを通して成長を感じることができました。今年のBJCはどんな課題が出てくるのか、今からとてもワクワクしています。全力で頑張ります!

3位:青栁未愛

ジャパンツアーでは自分の課題が浮き彫りになったと感じています。BJCに向けて強化すべき点が明確になりました。2025年のBJCは駒沢での開催ということもあり、とても楽しみにしています。自分らしい登りをして、表彰台に上がれるよう全力を尽くします!

4位:張替夢乃
5位:抜井美緒
6位:伊東そら
7位:大河内芹香
8位:伊藤悠
9位:菅原亜弥
10位タイ:山真奈実
10位タイ:末澤結衣

2025競技会一覧

  • ボルダージャパンカップ2025(BJC2025)