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2025年のボルダー日本代表が有明でトレーニング合宿を実施

インタビュー公開日: 2025-04-18
2025年のボルダー日本代表が有明でトレーニング合宿を実施

Photos : 窪田亮

2025年のボルダー日本代表が3月27日、都内のlivedoor URBAN SPORTS PARK(有明アーバンスポーツパーク)で4月開幕のワールドカップに向けたトレーニング合宿を行いました。パリオリンピックの男子金メダリスト、トビー・ロバーツ選手(イギリス)も特別参加したその模様をお届けします。

(取材・文/CLIMBERS編集部)

2025年のボルダー日本代表が初めて実施した合宿には、コーチ、トレーナー、男女7人ずつの日本人選手が参加。そこに日本滞在中だったロバーツ選手も父親やイギリス代表コーチとともに加わりました。

トビー・ロバーツ選手

代表合宿は年に2~3回ほど実施されており、国際大会のシーズン開幕前、重要大会の前、オフシーズン前のタイミングで行われることが多いそうです。

livedoor URBAN SPORTS PARK(有明アーバンスポーツパーク)のボルダー棟。普段は一般利用も可能です

今回初めて利用したlivedoor URBAN SPORTS PARK(有明アーバンスポーツパーク)には東京オリンピックで使用されたボルダー壁が備わっています。高さも横幅も十分にある壁が背中合わせの形で2面あり、片方をウォーミングアップとして、片方を大会シミュレーションとして使用しました。

ウォーミングアップする選手たち

選手たちは各自でウォーミングアップしたあと、5分間の制限時間ごとに4課題を登るシミュレーションに臨みました。課題はパリオリンピックにも携わったピエール・ブロワイエ(フランス)、世界選手権で優勝経験のある藤井快選手らが手掛けました。壁の横幅を最大限に使った課題をはじめ、日本人選手が昨年の国際大会で苦戦した課題、流行りの課題などが設けられ、質の高い課題に対して日本代表選手をもってしても一筋縄ではいかず、ワールドカップ前の良いトレーニングになった様子でした。

シミュレーションの様子

日本代表の安井博志ヘッドコーチによれば、選手たちは普段のトレーニングでは大会と同じ状況下でのオンサイト練習が中々できないため、代表合宿では実施する機会が多いとのこと。国際大会に気持ちを切り替える効果もあるそうです。

あとから選手等が見返せるようにシミュレーションは動画で記録

昼食後はチームミーティング。安井ヘッドコーチがモニターを使いながら2025シーズンの目標、補助金の適用範囲、SNS使用時の注意事項などを話していきます。その後、トレーナーにより既往歴のチェックシートが配られました。トレーナー同士で選手たちのケガ等を把握し、適切に対応していくためです。

チームミーティングの様子

最後はセッションの時間です。各選手は登り込みたい課題に自由にトライ。他の選手たちとコミュニケーションを取りながら来るワールドカップに向けて調子を上げていきます。日本代表歴の浅い選手たちにとっては先輩選手たちと親交を深める機会にもなったようです。課題をセットした藤井選手もここから参加してアドバイスを送っていきます。

セッションする選手たち

ボルダーワールドカップの第1戦は4月18~20日に中国・柯橋で行われます。


▼安井博志ヘッドコーチ コメント

――代表合宿の場を設けることについて、メリットをどう感じていますか?

「クライミングは個人種目ではありますが、日本はチーム力で強くなると思っています。そのチーム力を高める上で必要なのが合宿です。シーズン前にもう1度自分の能力を知ること、共に日本代表として戦う選手をより知ることが重要です。また、年代に関係なく各選手がリスペクトし合える機会にもなるでしょう。チームミーティングではあらためて選手たちの意識合わせができました。『共に戦う』という気持ちを持った時、日本代表の真の強さが発揮できると思います。今シーズンもチーム作りの第一歩がこの合宿からスタートしたと感じています」

――合宿は毎年2、3回ほど行っているそうですね。

「まずはシーズンイン前に実施します。内容としては大会のシミュレーションが多くなります。もう1つは重要大会の前に再度こういったシミュレーションを中心に行い、試合勘を高めます。最後はシーズン終了後、次のシーズンに向けて行います。体力測定や医科学的な座学を実施することもあり、シーズンオフを迎える前に自分の体の強いところと弱いところを把握できるようにする。トレーニング期に自分は何を強化すればいいのか、その方向性をつかんでほしい意図があります」

――今回はパリ五輪金メダリストのトビー・ロバーツ選手が参加しました。

「日本でトレーニングしたいという話を以前より受けており、たまたまタイミングが重なったことで今回参加してもらう運びとなりました。オリンピックチャンピオンですし、また年代的に安楽宙斗のライバルでもあるので、より一層トレーニングの緊張感が高まったのかなと思います。彼のフィジカル面はずば抜けているので、その強さがどのくらいなのかを一緒に登ることで目の当たりにできますから、そういったところからも選手たちは刺激を受けてほしいですね」

2025競技会一覧

  • 第13回リードユース日本選手権多久大会(LYC2025)
  • リードジャパンカップ2025(LJC2025)
  • スピードジャパンカップ2025(SJC2025)第5回スピードユース日本選手権多久大会(SYC2025)
  • ボルダージャパンカップ2025(BJC2025)